時を越えたラブストーリー「楽園」

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「リング」で有名な、鈴木光司先生の小説です。

引き裂かれた男女が、時代と距離を越えて、再会する物語。

三つの章に分かれており、一章は古代モンゴルが舞台。

ある部族の青年ボグドは、伝説の赤い鹿を射止めたことで英雄になり、愛する少女ファヤウを妻とします。

ところが、禁じられていた行為……ファヤウの姿を壁に描いたことがきっかけで、他部族の男に襲撃され、妻を奪われてしまいます。

敵を必死で追うも、返り討ちに遭い、筏で遠くへ流されてしまうボグド。

遠く離れた妻と娘に再会することを望み、ひたすらに追うボグド。

夫との再会を夢みて、赤い鹿の絵を描き続けるファヤウ。二人は今、地球の反対側へと隔たれています。

そして、第二章。

大航海時代のアメリカ、船員の少年は仲間と共に、自然豊かな島に流れ着きます。島の娘と恋をし、幸せな家庭をもうけますが。ある日、崖に巨大な赤い鹿の絵があるのを知ります。それは遥か昔、この地で力尽きたボグドが、妻を想って描いたもの。海賊との戦いや、火山の噴火を越え、新たな地を目指して船出する青年と妻、息子。三人は自分の腕に、あの鹿の絵を彫ります。離れても、再び巡り会えるように……。恋や激しい戦いが描かれ、特に読み応えのある章です。

そして、第三章。

現代のアリゾナで、巡り会う男女。女性の腕には、生まれつき鹿に似た形の痣が……。子孫か、生まれ変わりか、長い長い時間を経て、ついに二人の魂が再会します。時間も距離も越えて、会おうとする男女の強い想いを、ロマンたっぷりに描いた物語です。