ムーミン谷の彗星 ヤンソン

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誰もが知っているであろうムーミンのストーリー。個性的で魅力的な登場人物たち、「ムーミン谷」の世界感・・・巷にはグッズがあふれ、特に女性陣に人気となっています。広い世代の人たちが、アニメにも親しんだことでしょう。

とはいえムーミンシリーズは、立派な文学作品でもあります。作者のヤンソンは戦中から活動をはじめ、戦後を代表するスウェーデンが誇る世界的な画家・作家の一人でもあり、ムーミンのストーリーや挿絵の画風も歴史にかなりの影響を受けていると思います。

 さて、ムーミン谷の彗星のストーリーは相当有名だと思いますが、世界を滅ぼすかもしれない彗星が迫る中、ムーミンと仲間たちが遠くの山にある展望台を目指して冒険を繰り広げます。
出会いあり、友情あり、モンスターとの闘いありです。
そして、幸いにも世界は滅ばず、最後に家に帰っていきます。後半天文台のシーンで、もう世界は滅びてしまう、となったときにムーミンたちは残されたわずかな時間を、家に帰るために費やすことにするんですね。
普通に感動です。最後の何気ない日常の一場面がどれだけ大切なものか、考えさせられます。
スナフキンやスノークのお嬢さん(アニメではフローレン)が初登場する巻でもあります。

 楽しさやユーモア、冒険の中に、何気ない日常の大切さ、人という存在の小ささ(巨大彗星をどうすることもできず、ほんの偶然によって生き延びる)、家族の大切さといったテーマを感じる場面もあり、またこんなものの味方、考え方もあるんだと驚いたりと大人になってからこそ楽しめる、あらためて感動があるお話しになっています。
大人にこそおすすめの一冊です。

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062769327