冷静と情熱のあいだ

 この本は、江國香織さんが執筆した女性目線の物語と辻仁成さんが執筆した男性目線の物語があります。どちらから読んでもいいのですが、個人的には女性目線の物語から読む方がおすすめです。  イタリアのアクセサリー店に勤めるあおいと、絵画の修復師をしている阿形順正の恋の物語です。  すごく面白いと思ったところは、ひとつの事件、ひとつのシーンがお互いの物語から別々に見ることができるということろです。そのため、二人の心のすれ違いだったり駆け引きだったり、伝わらない気持ちなどが手に取るようにわかります。実際の世界も同じこ... Read More

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名画で読み解く イギリス王家12の物語

昨年、上野美術館で公開された『レディ・ジェン・グレイの処刑』を含む、意味を知ると怖い絵とかのお話です。 一番有名なのは、レディ・ジェン・グレイのちょっと前のヘンリー八世の時代、この王に関わって処刑された女性が三人もいるのですよ。本当に怖いです。 このゾクソクするような背すじが寒くなるような感覚が好きなのです。 ヘンリー八世は男子の世継ぎに拘って何回も再婚し、妻を二人も処刑にしたのに、後を継いだのは最初に処刑したこれまた有名なアン・ブーリンの娘エリザベス一世です。 王家に纏わるエピソードと、その時をモチーフ... Read More

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革命のファンファーレ

一時期話題になったお笑い芸人キングコングの西野が書いたビジネス書です。 内容は西野が発表した「えんとつ町のプペル」という絵本を発表した際にどの様な手法を使って売れる本を生み出したかと言う西野流とも言える「本を売る為のビジネス手法」が書かれた本です。 実際のエピソードを踏まえながら書かれておりニュースで話題になっていた部分の裏側を見れるとワクワクしながら読みすすめました。一番の読みどころはインターネットを使った広告戦略です。 一冊の本を売る裏側に秘められた計算しつくされた計画と、人間心理を使った戦略、そして... Read More

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ハチベエが裁判員に『ズッコケ中年三人組age43』

ハチベエが裁判員に選ばれてしまった・・大丈夫なのかと、子供のころのシリーズを読んだ人なら誰でも思うはずですが、この作品の中の人達もやはりそう思っているのです。三人組の中ではハカセが一番適任だと思うのですが・・、本番までに事件についての記事や資料をしっかり読み込むなど、模範的な裁判員になれると思いますが, ふさわしくない人が選ばれることは現実にもあるはずです。私も自分がふさわしくないと思っているので、選ばれたくないです。 この作品は、かつての同級生が証人として出てきたり(この人もけっこう大変な人生を送ってい... Read More

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今のいじめを描いた『ズッコケ中年三人組age42』

自分の子供がいじめにあったり、道をふみはずしかけたり・・という問題がこの作品のテーマです。ひとりだけ独身で子供がいないハカセも、自身が学校の先生なので無視できません。 ハチベエやモーちゃんもいいお父さんですけれど、子供の問題にすぐに気づくわけではないというのは、いろんな家庭の父親あるあるではないでしょうか。 モーちゃんの娘さんが受けているいじめは、ハカセがお世話になっている先生に相談し(娘さんが通っている学校の先生)、どうにか解決にたどりつけますが、こういうつながりがなかったら、さらにいじめは続いたと思い... Read More

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360度カメラthetaが欲しい

今日は本ではなく写真撮影のお話をします。 私はよくあるイベントに行くのですが、趣味のサークルのような集まりのお食事会で、月一度行われます。 そこでは毎回写真撮影が当たり前のように行われるのですが、自分や他の人を撮影してもらったりして記念のために残しています。 そこで思うのですが、写真を撮るのが下手な人と上手な人がいて、下手な人に撮ってもらった写真を見ると本当に残念な気持ちが半端ないことが多々あります。 その集まりの性質上、参加者は男性が多いのですが、カメラが趣味でない男性はあまり写真撮影が上手くない傾向が... Read More

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群ようこの『ゆるい生活』を読んで

体の不調を感じた群ようこが漢方薬局で薬を処方してもらい、体質改善を図る顛末が書かれています。群さんの状況で、自分に当てはまるものも少なくないので、頷きつつ読んでしまいました。特にショックだったのは、漢方薬局の先生の「甘い物は体を冷やすから、食べすぎるのはよくない」という言葉でした。「砂糖を置いておくと、べたべたになってくるでしょうあれは空気中の水分を取り込むんですね」という説明に、しごく納得。でも群さんほどではないけど私も甘い物は好きなので、やめられそうにありません。 「風呂上がりに水を飲むのは良くない」... Read More

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FBI心理分析官

この本はロバート・K・レスラーという元FBIの方の実体験を書いた本です。 この本は彼が捜査した実際に起きた異常犯罪について語られています。 犯罪者の幼少期の家庭環境、学校での成績や恋愛と友人関係、知能、人種、人柄、犯罪など多くの事を分析して語られています。彼が犯行現場で見た被害者の姿などリアルに書かれていてグロテスクなところが苦手な人には辛いかもしれません。フィクションならまだしも実際に起きた事件なので怖くなります。しかし、いまでこそサイコパスの傾向などが確立されてきていますがこの当時はそのようなものがな... Read More

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「BLACK OUT」~私を20年魅了する1冊~

「BLACK OUT」(渡辺浩弐著・幻冬舎文庫)は、22年前に放映されていた深夜ドラマのノベライズです。科学捜査部の職員が、ハイテク犯罪を捜査するという、SFミステリーです。当時私は、受験勉強しつつもドラマにハマり、小説版にも手を出しました。「若い頃の思い出の本」を、昨年たまたま読み返してみたところ、気付けばクライマックスでボロ泣きしていました。この本の、何が私の心に触れたのでしょうか。  「BLACK OUT」のいちばんの魅力は、SFとしての先見性だと思います。1995年に1999年を想定して書かれたも... Read More

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歴史小説の魅力詰まった短編集「軍師の境遇」(松本清張著)

松本清張著の歴史小説短編集「軍師の境遇」は、表題作のほか、「逃亡者」「板元画譜」の計3編から成り立っています。  メイン小説の「軍師の境遇」は、数年前、大河ドラマでも取り上げられ、アイドルの岡田准一さんが主役として演じた戦国時代の希代の軍師、黒田官兵衛を描いた作品です。清張らしく、読みやすくテンポの良い筆運びで、ストーリーにはぐいぐい引き込まれます。  黒田官兵衛の家は、初めは姫路の小さな国衆でした。近隣を治める小寺政職に仕えていましたが、これがまったく優柔不断な殿様。当時、小寺氏は大国織田と毛利に挟まれ... Read More

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