大探検時代の博物学者たち

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ピーター・レイビー著 河出書房新書

本書はチャールズ・ダーウィン、ウォレス、スプルースといった19世紀、ヴィクトリア朝時代のイギリスの学者、探検家らが未開の地、彼らに、そして欧州にとって「輝ける楽園」とされた世界各地の辺境(アフリカ奥地、アマゾン、マレー諸島など)を踏破し、調査し、記録しようと取り組んだ様子を、一人一人に焦点を当てて紹介する内容になっています。

私は別に理系でも、特段博物学や生物学が好きなわけでもありませんが、普通に面白く、考えさせられる内容の一冊です。歴史的に見ればイギリスはじめ西洋諸国が植民地開拓に乗り出す少し前の段階の話ですね。
先陣を切って辺境の地に赴いた人たちのストーリーとなっています。
ある人にとっては研究、ある人にとっては冒険、あるいはビジネスといった具合でアプローチ方法も様々。
危険と可能性に満ちた辺境に、情熱を持って母国を船出していったわけです。
極楽鳥、ゴリラ、オラウータンといった欧州文明が初めてであった生き物たちへの感動、衝撃や、過酷な自然環境の脅威、ある時は味方であり、ある時は脅威でもある現地人たちとの交流などが生き生きと描写されています。
もちろん、ストーリーに脚色などはされておらず、当時の記録や探検家たちが持ち帰ったコレクションなどの調査に基づき、事実に基づいて記されています。

ある意味この時代は黄金時代であったのかもしれません。
結果的に、彼らは欧州のアジア、アフリカなどの植民地化の先陣を切った形にもなってしまったのですから。皮肉な面もあります。そういったところは考えさせられますね。

おすすめの一冊となっております。